「機能的固定療法」で効果を発揮する為には、患部に応じた適切な固定材を使用し、患部に痛みがない状態で固定することが大切です。
固定をしていても動く時に痛みを感じる状態では、機能低下・代償運動の発生を少なくする効果や症状の回復に対しての適切な効果が減少します。 特に下肢に使用する固定材は、ギプス同様に荷重にも耐えられる強固な固定材を使用するために、痛みがなく荷重して歩行することも可能です。
※固定材料:サンスプリント3.2ミリ・穴あき(酒井医療)
機能的固定具は、患部に痛みがなく、治り易い適切な肢位で固定して維持することが必要です。
機能的固定具は、お湯で温めると軟化し、冷めると硬化する固定材を使用するため、患部に自由にフィットした状態で固定ができます。また治療途中の固定の部分的な修正も可能です。
「機能的固定療法」では症状に応じた最小の固定範囲で痛みを感じない機能的固定具を作成して装着することで、患部周囲の関節の動きの制限を最小限にして、患部以外の機能の低下が最小限となるように治療を進めることができます。
機能的固定具は包帯で固定する為、治療時に固定をはずして患部に適切な施術をすることが可能です。
機能的固定具は基本的には包帯で固定しますが、テーピングやベルトで固定することで、患者さん自身による脱着を指導することも可能です。
患部の機能に応じた適切な局所の運動療法、運動連鎖を考慮した運動療法を行うことで、機能的固定具を装着した状態での動きを正常に近づけます。そして機能低下や代償運動の発生を最小限として、日常生活で動き易くして、さらに機能低下と代償運動を早期に改善します。
日常生活の動作が、患部の悪化、機能低下、代償運動による痛みの増強などに最も影響します。日常生活で患者さんが患部を過度にかばい動きを制限することで二次的に機能低下が発生したり、代償運動が強くなることで代償運動による痛みが発生し易くなります。 逆に日常生活の適切な動作は、患部の症状や患部及び関連部位の機能低下・代償運動を最小とするとともに、症状や機能の回復に効果的なリハビリ・トレーニングともなります。 「機能的固定療法」を身につければ、患部と四肢の運動連鎖を考慮した適切な日常生活の動作指導を行うことができるようになります。
機能的固定療法の基本的な方針である、痛みや患部及び連動した部位の機能低下や代償運動を最小とする、運動療法や生活指導などの内容を学んで、機能的固定療法以外の先生方の治療に取り入れることでも、非常に効果的な治療を行うことができることを自信をもってお約束します!